孤独

私はいつも一人からのスタートだった。転校3回。中学受験。大学受験。就職。「みんなで同じ小学校あがれるね!」「中学でも同じクラスだといいな〜!」「〇〇先輩入ってるサークル行こうよ!」「同期まじラブサイコ〜!」振り返ると全部どれも私には縁のない話だった。昔から知ってる仲間みたいなものが一度も存在したことが無い。どこのコミュニティに属するときも私のことを知ってる人は誰だっていなかった。むしろそれを利用してそれぞれに合わせてアイデンティティを形成して自分という存在を節目ごとにリセットしてきた。ただ今はこの八方美人気質で多重人格者な自分に限界を感じつつある。前に属していたコミュニティからは変わったねと言われ過去とは疎遠になっては孤独の繰り返し。今までの器用さはどこへ行ったのか もう私は複数所持していた自己を使い分けることが出来ない。

あなたの求めている"私"を自分の記憶から探して適用することがもう出来ない。あなたにとっての"私"という期待には応えられない。あなたから見る"私"ってどんな人でしたか。すみませんあなたとの"私"としてのスタンス忘れちゃいました。

本当の自分というものがわからない。20も過ぎてそこそこの大人が中二病みたいなことなに今更言ってんの?って感じか。でも恥ずかしながらそんなことばっかり考えてる。親といるとき恋人といるとき数少ない友人といるときまたは新しい職場にいるとき真の私ってどれでどこにいるんだろう。ふっとその時々頭に浮かんだことを発言しては大切な人を傷つけてばっかりの人生を送ってきたのでもう誰にも本性なんて見せることできないのかもしれないなあってつくづく。昔の多重人格のツケが今になってどかっと回ってきたみたい。完全に別人格みたいなものだからわりと寝たら忘れるし発言に責任がまるで持てない。我ながら最悪だなと思う。

こうやって結局いつも孤独なのである。またその孤独を内に秘めるかのように明るい虚構を作る毎日。偽りを剥ぎ帰宅した玄関でつくため息は重たい。幼少期からの度重なる孤独でもう慣れたつもりだったけれど、いくつになってもそれを感じるときは本当に辛く寂しい。